コンベヤチェーンの選定
コンベヤ装置がシステムとして完全に効果を発揮させるためには、コンベヤ装置に最適なコンベヤチェーンを選ぶ必要があります。
コンベヤチェーンの選定にあたっては、輸送物の仕様、使用条件、設置場所などといったあらゆる角度から総合的な検討と幅広い経験に基づいた知識を加味した考慮が必要です。
そのため、コンベヤチェーンの選定は、さまざまなケースに応じて考慮する必要があります。ここでは基本的な選定の手順、方法を説明します。
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コンベヤの主な種類
コンベヤの名称 | バラ物 | かず物 | 搬送方向 |
---|---|---|---|
エプロンコンベヤ | ○ | △ | →↗ |
パンコンベヤ | ○ | →↗ | |
バケットエレベータ | ○ | x | ↑↗ |
スクレーパーコンベヤ | ○ | x | →↗ |
ドラグコンベヤ | ○ | x | → |
スラットコンベヤ | ○ | →↗ | |
ラインコンベヤ | x | ○ | → |
ネットコンベヤ | ○ | → | |
パレットコンベヤ | ○ | → | |
トウコンベヤ | x | ○ | → |
フローコンベヤ | ○ | →↗ | |
エスカレータ | x | ○ | ↗ |
バーコンベヤ | x | ○ | → |
トロリーコンベヤ | ○ | →↗ |
○:使用に適します。
△:搬送物によっては使用に適することがあります。
x:使用に向かないコンベヤです。
→:水平方向の搬送です。
↗:傾斜方向の搬送です。 但し、搬送物により傾斜角度に制限が生じます。
↑: 垂直方向の搬送です。
搬送物の調査
コンベヤの計画にあたって、まず搬送しようとする物の内容、性質をくわしく調査します。
テレビ、ビデオ、自動車などのような“塊”のある「かずもの」の場合は、その大きさや、形状、質量を知ることが必要です。石炭、鉱石、穀類、粉などの粒状、粉状、塊状の「ばらもの」を搬送する場合は見掛け比重、粒度、粘度のほか、そのものの持つ物質的な性質を良く調査することが肝要です。
また、搬送物と搬送方法について考慮する必要があります。一般に、水平方向への搬送では、「かずもの」「ばらもの」のいずれでも搬送治具(アタッチメント)などを工夫することにより、ほとんど問題なく搬送することができます。しかし、計画されるコンベヤが必ずしも水平とは限りません。 傾斜したラインでは、搬送物によって傾斜角度の制限が生じたり、垂直搬送のラインでは搬送物の性質・状況に応じて機構的に複雑にしなければ搬送できない場合があります。
コンベヤラインでは、搬送物の着荷(投入)、脱荷(搬出)が重要な問題になります。搬送物の性質・形状とコンベヤライン上でのワークの内容を調査して、どのような方法が着荷・脱荷に一番適しているか見極めることが大切です。
最近、このような着荷・脱荷の工程を人間の手で行う方法から、自動移載装置や工業用ロボットに置き換える傾向になっています。そこで、これらの機器がコンベヤラインとうまくマッチするよう総合的な検討が重要になります。
搬送方法の検討
コンベヤの計画にあたって、まず搬送しようとするものの内容、性質をくわしく調査します。
テレビ、ビデオ、自動車などのような“塊”のある「かずもの」の場合 は、その大きさや、形状、質量を知ることが必要です。石炭、鉱石、穀類、粉などの粒状、粉状、塊状の「ばらもの」を搬送する場合は見掛け比重、粒度、粘度のほか、そのものの持つ物質的な性質を良く調査することが肝要です。
また、搬送物と搬送方法について考慮する必要があります。一般に、水平方向への搬送では、「かずもの」 「ばらもの」のいずれでも搬送治具 (アタッチメント)などを工夫することにより、ほとんど問題なく搬送することができます。しかし、計画されるコンベヤでは、必ずしも水平とは限りません。 傾斜したラインでは、搬送物によって傾斜 角度の制限が生じますし、垂直搬送のラインでは搬送物の性質・状況に応じて機構的に複雑にしなければ 搬送できない場合があります。
コンベヤラインでは、搬送物の着荷(投入)、脱荷(搬出)が重要な問題になります。 搬送物の性質・形状とコンベヤライン上でのワークの内容を調査して、どのような方法が着荷・脱荷に一番適しているか見極めることが大切です。
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チェーンピッチの決定
コンベヤの輸送方法、輸送物の形状、輸送速度などにより輸送物を搬送するスラット・バケット・エプロンなどの用具の大きさや形状、取り付け間隔が決定されます。これによりチェーンのピッチやチェーンのおおよその大きさを決定することができます。
このとき、チェーンピッチに比べてチェーン速度が速すぎる場合には、チェーンの振動が大きくなりノッキングを発生するばかりでなく、スプロケットの噛み合いで衝撃を起こし損傷したりします。
そこで、次式に基づいてスプロケットの回転数を算出して、下表および下図の許容回転数以下になるようにします。
スプロケット回転数(r.p.m.) = 1000×運行速度m/min / 歯数×チェーンピッチ mm
なお、チェーンにスラット・バケット・エプロンなどの取り付ける物がなく、チェーンのみを走行させるような場合は、この許容回転数を若干越えて使用しても構いません。
チェーンピッチを決定する際に大変重要な点は、なるべくピッチの短いチェーンを選ぶことです。ピッチの長いチェーンに比べてピッチの短いチェーンは、スプロケットと噛み合うときに衝撃が少なくなり、チェーンの運行が円滑になります。加えて、スプロケットと噛み合うときの屈曲角度が小さくなるため、チェーンの軸受部であるピン・ブッュ間の摩耗が減少し、チェーンの寿命向上につながります。
一方、コンベヤ装置の大きさの制限からスプロケットのスペースに制約が生じることがあります。前述の手法でチェーンピッチを決定したとき、スプロケットのスペースの制限で歯数が決まります。しかし、求められた歯数が少ない場合、屈曲角度が大きくなり円滑な運行が保たれません。このような場合は、チェーンピッチを短くして歯数を増やすなどの考慮が必要です。
アタッチメントの検討
輸送物の形状により決定されたスラット・バケット・エプロンなどをチェーンに取り付ける用具に適するアタッチメントを選定します。一般的に標準アタッチメントを選定することは経済的、納期的に得策になります。
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ローラ形式の決定
標準コンベヤチェーンにはR、F、S形のローラが付く形式のチェーンがあります。コンベヤの搬送方式、搬送物の形状、アタッチメントの形式を考慮してローラの形式を決定します。
ローラは、 耐摩耗性、耐衝撃性に充分効果を発揮できる機械構造用炭素鋼や鋳鋼を使用し、熱処理を施します。使用条件によってローラを特殊仕様にすることがあります。特殊仕様のローラとしては、ローラ材質の変更や寸法変更、走行抵抗を少なくするためベアリングを内蔵したローラなどがあります。
Rローラ形チェーン | ローラ径がプレート幅より大きなチェーンです。 | |
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Fローラ形チェーン | ローラにフランジが付いたチェーンです。 このフランジによりレールの端面をガイドして運行します。 | |
Sローラ形チェーン | ローラ径がプレート幅より小さなチェーンです。 |
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